ピロリ菌除菌治療
ピロリ菌は胃がんの最大原因です
がんの中でも日本人に最も多いのが胃がんです。胃がん患者さんの約99%にピロリ菌が感染しており、ピロリ菌は胃がんの最大原因であることがわかっています。ピロリ菌が胃の粘膜に感染することで慢性胃炎をひきおこし、そこから長い年月をかけて胃がんが発生してきます。
ピロリ菌除菌をすれば胃がんの発生が1/3になる
ピロリ菌が感染した慢性胃炎の人に除菌治療を行うと、胃がんの発生率が1/3になることが明らかになっています。そこで、2013年2月から「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」に対する除菌治療に保険が適用されました。現在、日本でヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の人は5,000万人とも6,000万人ともいわれており、50歳以上の日本人の実に80%がピロリ菌に感染しています。それら全ての方々に、胃がん予防のための治療が行えるようになったのは画期的なことだと思います。
まずは内視鏡検査で胃炎の確認を
まずは、内視鏡検査で胃炎の有無を確認して下さい。胃炎が認められた場合には胃の組織をとってピロリ菌の検査を行います。ピロリ菌の検査は短時間(60分以内)で判定が可能ですので、その日のうちに除菌治療を開始することができます。
除菌治療は薬を1週間のむだけ
2種類の抗生物質と胃酸を抑える薬、あわせて3種類の薬を1週間のむことで、70〜80%の患者さんはピロリ菌を除菌できます。最初の治療でうまくいかなくても、抗生物質1種類を変えた2次除菌を行うことで、最終的に90%以上の患者さんの除菌が可能です。
除菌治療後も定期的な内視鏡検査でしっかり経過観察を
除菌治療によって胃がんになるリスクは低下しますが、100%大丈夫とは言い切れません。除菌した方でも長期に経過観察していると、稀に胃がんを発症する方がおられます。除菌治療後も内視鏡検査による定期的な経過観察をおすすめします。